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「DX(デジタルトランスフォーメーション)なんて、大企業がやることでしょ?」 「何百万円も投資する余裕なんてないよ」
経営者の方々と日々お話ししていると、必ずと言っていいほどこの言葉を耳にします。 従業員数名のオフィスや、家族経営に近いチームにおいて、「DX」という言葉はどこか別世界の出来事のように響くのかもしれません。
しかし、ITコンサルタントとして断言させてください。 それは大きな誤解です。
実は、小規模な組織こそ、DXの恩恵を最も受けやすく、かつ成功率が高いのです。 今回は、なぜ小さいチームほどデジタル化が効くのか、そしてお金をかけずに今日から始められる具体的な方法についてお話しします。
大企業がシステムを一つ導入しようとすると、何が起きるかご存じでしょうか? 役員会議の承認、全部署への根回し、数百人〜数千人への操作研修、マニュアル作成……。 「やろう」と決めてから実際に動き出すまでに、半年や1年かかることもザラです。これは巨大なタンカーが急に方向転換できないのと同じです。
一方で、従業員10人以下の皆様の会社はどうでしょうか? 社長が「来週からこのアプリを使ってみよう」と言えば、それで決定です。 全員のスマホにインストールするのに1時間もかかりません。
この「圧倒的なスピード感」こそが、小規模チーム最大の武器です。 小回りがきくスピードボートだからこそ、便利なツールをすぐに取り入れ、ダメならすぐにやめるという柔軟な動きが可能です。
「でも、システムを入れるのは高いんでしょ?」 このイメージも、今は大きく変わっています。
ひと昔前までは、業務システムといえば「自社専用に開発してもらう」ものであり、数百万円の投資が必要でした。 しかし現在は、「SaaS(サース)」と呼ばれる、月額課金制のクラウドサービスが主流です。
しかも、多くの優秀なツールには「無料プラン」や「数名までは無料」という枠が用意されています。
スケジュールの共有
チャットでの連絡
タスク(やるべきこと)の管理
ファイルの保存・共有
中小企業のDXにおいて、最初から高額な投資をする必要は全くありません。「まずは無料で試して、便利だったら有料版にする」というスモールスタートが正解なのです。
では、具体的に何から始めればいいのでしょうか? 従業員10人以下のチームで、最も効果が出やすい「安価なDX」を2つご紹介します。
事務所のホワイトボードに行き先を書いたり、黒板のスケジュール表を使ったりしていませんか? これを「Googleカレンダー」などの無料カレンダーアプリに変えてみましょう。
メリット: 出先からでも全員の予定がわかる。急な変更もスマホで修正完了。
コスト: 0円
「〇〇さん、今日午後空いてる?」とわざわざ電話で確認する時間が、組織全体でゼロになります。
「あれ、やっといてって言ったよね?」「聞いてません」 こうした小さなトラブルは、口頭やメモ書きでの指示が原因です。 これを「Notion(ノーション)」といったタスク管理ツール(無料枠あり)に変えてみましょう。
メリット: 「誰が」「いつまでに」「何をやるか」が可視化される。進捗状況が一目でわかる。
コスト: 0円
「仕事のボールが誰の手元にあるか」が見えるだけで、チームの連携は劇的にスムーズになります。
DXという言葉に踊らされて、「何かすごいことをしなければ」と身構える必要はありません。
本来、ITツールは「人間が楽をするため」に作られたものです。 計算機がそろばんより楽なように、メールが手紙より楽なように、今のクラウドツールは「昔ながらのやり方」よりも圧倒的に楽ができるように設計されています。
「ITは苦手だ」と敬遠するのは、「便利な電動工具があるのに、意地でも手回しドライバーで家を建てようとしている」のと同じくらい、もったいないことなのです。
小規模チームの皆様。 「小さいから無理」ではなく、「小さいからこそ、すぐに変われる」と自信を持ってください。
まずは、社内で一番「面倒だな」と感じているアナログ作業を一つ見つけてみましょう。 そして、それを解決できそうな無料アプリを、試しに社長とあと一人の2人だけで使ってみてください。
その小さな実験が、会社の生産性を大きく変える第一歩になります。
もし、「うちはスケジュール管理と日報、どっちからデジタル化すべき?」とお悩みでしたら、お気軽にご質問ください。 御社の業務スタイルに合わせ、「明日から導入できて、一番効果が出るツール」をご提案させていただきます。