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お知らせ

「顧客情報」を個人の記憶から「会社の資産」に変える方法

「もし今、一番売上を作っている営業のエースが『辞めます』と言ってきたら……」
想像するだけで冷や汗が出る、という経営者様も多いのではないでしょうか。 売上の低下はもちろん痛手ですが、それ以上に怖いのが「彼しか知らない顧客情報」がごっそりと失われることです。
「あの社長の好みの話題は?」 「以前のトラブル対応の経緯は?」 「キーマンは誰?」
これらが引き継がれず、後任が対応した結果、「前の担当者は分かってくれていたのに!」と信頼を失ってしまう。これは最悪のケースですが、決して他人事ではありません。
本日は、IT・DXコンサルタントの視点から、「人の入れ替わりに左右されない、強い組織を作るための顧客管理(CRM)」についてお話しします。

なぜ、「優秀な営業マン」ほど情報を抱え込むのか?

まず、現場の実情を見てみましょう。悪気があって情報を隠しているわけではありません。優秀な営業マンほど忙しく、日々のお客様対応に追われています。その結果、どうなるでしょうか?

  • ・商談のメモは、個人の手帳に走り書き。
  • ・細かい進捗状況は、自分の頭の中(記憶)だけにある。
  • ・会社への報告は、日報に書く「売上数字」という結果だけ。

この状態を「属人化(ぞくじんか)」と呼びます。「その人にしかできない仕事」があるのはプロとして素晴らしいことですが、「その人しか知らない情報」があるのは、会社にとって最大のリスクです。なぜなら、その記憶は「個人の持ち物」であり、「会社の資産」になっていないからです。

「記憶」を「資産」に変えるCRMという仕組み

そこで導入が進んでいるのが、CRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)というツールです。
「ITツールを入れるだけで何が変わるの?」と思われるかもしれません。 CRMの本質は、ただのデジタル電話帳ではありません。「営業活動のプロセス(途中経過)」を共有する仕組みです。

CRMを導入すると、組織は次のように変わります。

1. 「引き継ぎ」が劇的にスムーズになる

お客様とのやり取り(電話、メール、訪問内容)をすべてCRM上に記録します。すると、もし担当者が変わっても、後任者は過去の履歴を時系列で追うことができます。
「〇〇様、3年前の導入時には、△△の件でご苦労されたと記録に残っております。今回はその点も考慮して……」
このように、新任担当者が過去の文脈を理解して話せば、お客様は「会社として私を大切にしてくれている」と安心します。担当者への信頼が、会社への信頼に変わる瞬間です。

2. 新人が早く育つ(ナレッジの共有)

エースの営業手法は、新人にとって最高のお手本です。「エースは、こういう断り文句に対して、こう返しているのか」 「このタイミングで資料を送っているのか」
CRMで優秀な社員の動きが可視化されると、それは生きた教科書になります。背中を見て盗む時代から、データを共有して学ぶ時代へ。組織全体の営業力が底上げされます。

3. 「言った言わない」のトラブルが消える

「先月連絡すると言ったじゃないか!」 こうしたクレームの多くは、記録漏れから生じます。CRMには「リマインド機能」がついているものが多く、「そろそろA社に連絡する時期です」と教えてくれます。個人の記憶力に頼らず、仕組みでミスを防ぐことができます。

成功の鍵は「入力のハードル」を極限まで下げること

「理屈はわかるけど、現場が入力してくれないんだよ……」 これはCRM導入で最も多い悩みです。
失敗しないための鉄則は、「最初は欲張らない」ことです。経営側はつい、「競合情報も、予算も、決裁ルートも、全部入力させたい」と考えがちです。しかし、入力項目が多すぎると現場は疲弊し、結局使われなくなります。
まずは「訪問日時」と「会話の要点3行」だけでOK。スマホから音声入力で報告できる環境を作る。
このように、現場の負担を減らすことから始めましょう。「CRMに入力すれば、日報を書かなくていい」というルールにするのも効果的です。

まとめ:顧客情報は会社の大切な「財産」です

商品は工場や倉庫にありますが、顧客情報はどこにありますか?もしそれが「社員の頭の中」にしかないのなら、今すぐ場所を移すべきです。
ITツールを使うことは目的ではありません。 目的は、「誰が欠けても、高い品質でお客様にサービスを提供し続けられる強い会社」を作ることです。「うちはまだ人数が少ないから」 そう思っている今こそが、チャンスです。情報量が膨大になる前に、顧客情報を「会社の資産」に変える仕組みづくり、始めてみませんか?

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