「新規事業を立ち上げたいが、ノウハウがない」
「社内のDX(デジタルトランスフォーメーション)を進めたいが、人材育成の予算が足りない」
このような課題をお持ちの企業様にとって、非常に強力な味方となるのが、国の助成金制度である「人材開発支援助成金」です。その中でも、現在特に注目されており、当社が活用をおすすめしている「事業展開等リスキリング支援コース」について、今回は詳しく解説します。
1. そもそも「人材開発支援助成金」とは?
人材開発支援助成金とは、事業主が従業員に対して職務に関連した専門的な知識や技能を習得させるための訓練(研修など)を計画に沿って実施した場合に、「訓練経費」や「訓練期間中の賃金」の一部を国が助成してくれる制度です。
簡単に言うと、「会社が社員を育てるためのコストを国が負担してくれる」仕組みです。従業員のスキルアップだけでなく、企業の生産性向上や持続的な発展を目的としています。
2. 今、一番の注目株!「事業展開等リスキリング支援コース」とは
人材開発支援助成金にはいくつかのコースがありますが、これから新しいことに挑戦する企業に特におすすめなのが「事業展開等リスキリング支援コース」です。
このコースは、以下の3つのいずれかに取り組むために必要な人材育成を行う場合に利用できます。
- 事業展開: 新商品・新サービスの開発や、新しい分野への進出を行う場合。
- DX(デジタルトランスフォーメーション)化: デジタル技術を活用して業務効率化やビジネスモデルの変革を行う場合。
- グリーン・カーボンニュートラル化: 省エネや脱炭素に向けた取り組みを行う場合。
具体的な活用イメージ
- 新規事業: 飲食店が新たにテイクアウト商品のオンライン販売を始めるため、ECサイト構築の研修を受けさせる。
- DX: 紙の伝票処理を廃止するため、経理担当者にクラウド会計ソフトの運用研修を受けさせる。
- グリーン・カーボンニュートラル: 自社工場のCO2削減のため、新しい省エネ設備の導入に伴う技術研修を受けさせる。
3. 最大のメリットは「高い助成率」
このコースの最大の魅力は、他のコースと比べても助成率が非常に高く設定されている点です。特に中小企業にとっては大きなコストダウンにつながります。
中小企業の場合の助成内容
- 経費助成: 訓練費用の 75%
- 賃金助成: 1人1時間あたり 1,000円(※令和7年4月から増額)
いくらお得になる?(シミュレーション)
例えば、中小企業がDX推進のために、従業員1名に20万円(20時間)の専門研修を受けさせたとします。
- かかる費用: 20万円
- 戻ってくるお金(経費): 20万円 × 75% = 15万円
- 戻ってくるお金(賃金): 1,000円 × 20時間 = 2万円
- 助成金合計: 17万円
会社の実質負担は、なんと3万円(+研修中の賃金支払い分)で済みます。 「費用が高いから」と諦めていた高度な専門研修も、この制度を使えば実施しやすくなります。
4. 2025年度(令和7年4月)からの嬉しい変更点
これから申請する方にとって朗報なのが、令和7年4月1日からの制度改正です。
- 賃金助成額のアップ: これまで1時間あたり960円だった賃金助成額が、1,000円に引き上げられました。
- 手続きの簡素化: 申請書類の削減や統合が行われ、以前よりもスムーズに申請できるようになります。
5. 申請するための条件とポイント
この助成金を利用するためには、以下の要件を満たす必要があります。
- OFF-JTであること: 現場での実務(OJT)ではなく、業務を離れて行う座学や実習などの訓練が対象です。
- 訓練時間が10時間以上であること: まとまった時間の研修が必要です。
- 事前の計画届出が必須: これが最も重要です!
申請の流れ
- 計画作成: 「どのような人材を育てたいか」という社内計画を立てます。
- 計画届の提出: 訓練開始の1ヶ月前までに労働局へ計画届を提出します。(※提出期間は訓練開始日の6ヶ月前から1ヶ月前まで)。
- 訓練実施: 計画通りに研修を行います。
- 支給申請: 訓練終了後2ヶ月以内に申請書を提出します。
まとめ
「事業展開等リスキリング支援コース」は、新しい時代に対応するために変化しようとする企業を強力にバックアップする制度です。
「自社のやりたい研修が対象になるか知りたい」「手続きを依頼したい」という場合は、ぜひお気軽にご相談ください。